ニコンの決算について

5月28日にニコンの決算発表がありました。

これまでカメラ関連のネットやYoutubeなんかでも、『ニコンの業績がやばい』とか『カメラ事業撤退?』言われていましたが、本当のところはどうなんだろう?と思ってみてみました。

ちなみに、私は業績を読み解くほどの知識はありませんが、10年くらい前までは証券会社で株式ディーラーとして働いていましたので、全くのド素人というわけでもないと思っています。

といっても、本格的に決算を見ると時間がかかりすぎるので、表面的な数値だけをみてみました。

まず2020年3月期は下記の通り。カッコ内は前年比です。

売上591,012百万円  (-16.6%)
営業利益6,751百万円 (-91.8%)
当期利益7,842百万円 (-88.4%)
一株利益19.93円   (前年は167.86円)

https://www.nikon.co.jp/ir/ir_library/result/

・・・厳しいですね。一応黒字は確保しましたってなってますが、実質的には赤字かな。純資産も減ってますしね。ただ、それでも一株純資産は748円。まだまだ余力はありそうです。

昨日のニコンの株価は990円ですから、PERは49.67倍です。まあ、PERは基本的に将来の一株利益で考えるものですからあまり意味はないですがね。

それより今期の見通しを出せなかったことは厳しいですね。(ただしこれはニコンに限ったことではない)

株価については、PBRが0.67倍ですからこれからどんどん値下がりしていくとは思えないですが、(2021年3月期は無理として)2022年3月期くらいにはある程度回復しないと厳しいでしょう。チャート的にも970円を下回ると短期的にみると厳しそう・・・。

あまり株価が下がってしまうと買収されることもあるかもしれません。

といっても、私には株価は関係ないので、カメラ事業がどうなるかです。パット見た感じだと確かに厳しい決算ですけど、それですぐに身売りとかカメラ撤退とかは考えられないと感じました。

そもそもすぐに倒産なんてないでしょう?見ればわかると思いますから、ネットであおっている人は何なんだろうか?

決算説明を見てみると、3Qの時の見通しよりはカメラ事業の販売数は上振れ(若干ですけどね)。といっても赤字。

カメラは中高級機にフォーカス・プラットフォーム化ということですから、APS-C以上のZマウントに注力するのかな?コンデジはネオ一眼以外はやめてしまうかもしれませんね。

その他新規事業を開発するとありますが、ニコンの規模ですから当然常に新規事業開発は行っているはず。これをもってカメラ事業の撤退とかっていうのはあり得ない。既存事業で稼いだお金で新規事業を行うのも当然ですから、あらためて驚くことでもない。

新規事業を行うから、既存事業はないがしろにするという記事もありましたが、本気で書いているのかな?

ネットの情報は印象操作や憶測記事が多いので、自分で見てみることが大事ですよね。ネットだけに限らないけど。

コンデジの販売数はスマホに食われているでしょうから、販売数で考えると今後も厳しい市況でしょう。でも中高級機で考えるとそれほど落ちているのかな?このあたりを数値的に見ることができればいいのですがね。

とりあえず当面、ニコンのカメラ事業はミラーレスに注力するでしょうから、Zシリーズ持ちとしては楽しみです。

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